ASAのテイム速度や育成速度を変更するときは、いきなり設定値を書き込まず、まず「どのサーバーの、どの設定を編集するか」を確認しましょう。

この記事では、稼働中の専用サーバーについて、保存・停止・バックアップ・編集・起動・ゲームでの確認までを説明します。最初は結果を見分けやすいサーバー名を変更し、設定が反映される流れを確かめます。

対象は、自分が管理権限を持つサーバーです。他人のサーバーや公式サーバーの設定は変更できません。また、ゲーム内のシングルプレイ設定画面と専用サーバーの設定ファイルは別物です。

確認日:2026年10月4日(日本時間)。公開ドキュメントに基づく案内で、掲載手順は実サーバーで未検証です。管理画面の表記は言語や更新によって変わる場合があります。

先に、要点。

ワールドのセーブ、バックアップ、設定の保存は別の操作です。自分の環境の手順を選び、最初はサーバー名ひとつの変更で反映の流れを確かめます。

手順と確認

1. 自分の環境に合う手順を選ぶ

Nitradoの管理画面があるからといって、自分のPCにあるASAのファイルを編集する必要はありません。編集対象は、プレイヤーが接続しているサーバー側です。

手順と確認

2. 最初に知っておく「保存」の違い

作業中には、違う意味の保存が3回出てきます。

  1. ワールドのセーブ:建築物・恐竜・プレイヤーなどの現在の進行状態を、サーバーに記録する操作です。
  2. バックアップ:元に戻すため、変更前のデータを別の場所に残す操作です。ワールドをセーブしただけでは、変更前のコピーを作ったことにはなりません。
  3. 設定ファイルの保存:編集した設定値をファイルに書き込む操作です。保存ボタンを押しただけで、稼働中のサーバーへ反映されるとは限りません。

この記事では「ワールドをセーブする→サーバーを停止する→バックアップする→設定を編集して保存する→起動する」の順で進めます。

停止前にワールドをセーブする

参加者に停止予定を伝え、戦闘や移動が落ち着いてから作業します。

ゲーム内で管理者として操作する場合は、ASAの設定でConsole Accessを有効にし、コマンド入力画面を開きます。管理者認証が必要な場合は、次をゲーム内コンソールへ入力します。

enablecheats 管理者パスワード

続けて、ワールドを保存します。

admincheat SaveWorld

「管理者パスワード」は実際の値に置き換えます。参加用パスワードとは別です。パスワードを含む画面や履歴を公開しないでください。

SaveWorldはARKの管理コマンドです。SSH接続先のLinux端末、PowerShell、Windowsのコマンドプロンプトに、そのまま入力するものではありません。RCONを使う場合も、RCONクライアントのコマンド送信欄で実行します。ゲーム内の入力例をOSの端末へ貼り付けないようにしてください。

実行直後に強制終了せず、利用環境のログやセーブファイルの更新日時などで保存を確認します。確認方法が分からない場合は、導入した管理ツールの停止・保存手順を先に確認しましょう。

参考:Nitradoの管理者コマンド案内、ARK公式コミュニティWikiのSaveWorld説明

手順と確認

3. Nitradoで変更する

手順1:対象のサーバーを開き、停止する

Nitradoへログインし、変更したいASAサーバーのWeb管理画面を開きます。複数のサーバーを借りている場合は、マップや接続先を確認してください。

ワールドのセーブを済ませたら、停止ボタン(Stop)でサーバーを停止します。停止操作を押した直後に編集を始めず、管理画面上で停止したことを確認します。

この時点で、利用できるバックアップの日時と復元方法も確認してください。設定ファイルは変更前の内容を手元に控えておきます。ワールドの復元用バックアップと設定ファイルの控えは、別々に確認するのが安全です。

手順2:最初はサーバー名だけを変える

左側の設定メニュー(SETTINGS)から一般設定(General)を開きます。基本設定欄(Base Settings)でサーバー名の項目を探し、今の名前を控えてから、見分けやすい名前に変更します。

例:

Prenoca-ASA-Test

ここではマップ、パスワード、倍率などを一緒に変更しません。最初に変更する項目を1つに絞ると、反映されなかったときに原因を調べやすくなります。

変更を保存(Save changes)し、サーバー起動(Start server)を選びます。

ASAのサーバー一覧を更新し、変更後の名前で探して接続します。検索条件やパスワード付きサーバーの表示設定も確認してください。新しい名前で表示され、元のワールドへ入れれば、管理画面からの設定変更を一度確認できたことになります。

この確認で分かるのはサーバー名の反映です。別の倍率設定まで正しく反映されたことを保証するものではありません。

参考:Nitrado公式・一般設定の編集手順

手順3:INIを編集するときは設定ファイル画面を使う

名前の変更を確認できたら、必要な設定に進みます。もう一度セーブ・停止・バックアップを行ってから、設定メニュー(SETTINGS)の設定ファイル画面(Config Files)を開きます。

編集ファイルの選択欄(Edit File)で、編集対象を選びます。

  • GameUserSettings.ini
  • Game.ini

2つは別のファイルです。目的の設定がどちらに属するかを確認してから編集してください。

ファイル一覧画面(File Browser)を使う場合、Nitradoの公式案内ではツール内のファイル一覧(TOOLS → File Browser)から、次の場所へ進みます。

…/arksa/ShooterGame/Saved/Config/WindowsServer/

一般設定画面とファイル編集画面で、同じ項目を交互に変更するのは避けましょう。編集後は保存し、再度ファイルを開いて値が残っているか確認します。起動後に書き換わる場合は、管理画面や別の設定生成機能も確認します。

参考:Nitrado公式・設定ファイルの場所

手順と確認

4. Linux・Protonの自前サーバーで変更する

以下は、Linux上でWindows版ASA専用サーバーを実行し、systemdで管理している場合の例です。

コンテナや別の管理パネル、手動起動で運用している場合は、その環境の停止・起動方法を使います。systemd用のコマンドを無理に当てはめないでください。

手順1:SSHで接続し、管理対象を確認する

ここからのコマンドは、サーバーへSSH接続した後のLinuxのシェルで実行します。ゲーム内コンソールには入力しません。

まず、登録されているサービスを表示します。

systemctl list-unit-files --type=service --no-pager

ASA用のサービス名を、導入時の記録と照合して探します。以下のYOUR_ASA_SERVICE.serviceは仮の名前です。そのまま実行せず、確認したサービス名へ置き換えてください。

systemctl status YOUR_ASA_SERVICE.service --no-pager
systemctl cat YOUR_ASA_SERVICE.service

見るのは主に次の項目です。

  • User:どのOSユーザーで動いているか
  • WorkingDirectory:作業ディレクトリ
  • ExecStart:起動しているプログラムやスクリプト
  • ExecStop:停止時に実行する処理が指定されているか

ExecStartがスクリプトを指定している場合は、そのスクリプトもテキストとして開き、ASAのインストール先を確認します。読むために実行する必要はありません。

サービス定義や起動引数に管理者パスワードが書かれている場合があります。出力をそのままSNSや質問サイトへ貼らないでください。

手順2:実際に使っている設定ファイルを特定する

Windows版ASAの専用サーバーでは、基本となる確認先は次の場所です。

ASAのインストール先/ShooterGame/Saved/Config/WindowsServer/

Linux上で動かしているという理由だけで、LinuxServerフォルダを編集しないでください。ProtonでWindows版を動かす環境では、実際にサーバーが使っているWindowsServer側を確認します。

複数マップ、複数インスタンス、コンテナのマウント、独自の起動スクリプトがある場合、見た目が似た設定ファイルが複数存在することがあります。起動設定と照合せず、最初に見つけたファイルへ書き込むのは避けましょう。

手順3:セーブしてからサービスを停止する

ゲーム内コンソールなどでワールドを保存した後、SSHのシェルに戻って停止します。

sudo systemctl stop YOUR_ASA_SERVICE.service
systemctl status YOUR_ASA_SERVICE.service --no-pager

停止状態になったことを確認します。activeのまま、停止処理中、またはエラーが出ている場合は、編集を始めず状態を調べてください。

systemctl stopが必ずワールドをセーブするとは限りません。停止時の動作はサービス定義や起動スクリプトに依存するため、停止前のSaveWorldと分けて考えます。

ユーザー単位のsystemdサービスとして導入している環境では、systemctl --userを使用します。通常のシステムサービスと管理先が異なるため、導入方法を確認してください。

手順4:停止中のデータを別の場所へ退避する

最低限、編集前のGameUserSettings.iniとGame.iniをコピーします。ワールドも戻せるようにするなら、実際に使用しているセーブ領域もバックアップします。

標準配置でSaved配下を使っている場合の例です。パスは実際の場所へ置き換えてください。

ARK_ROOT='/実際のASAインストール先'
BACKUP_DIR="$HOME/asa-backups/$(date +%Y%m%d-%H%M%S)"

mkdir -p "$BACKUP_DIR"
cp -a "$ARK_ROOT/ShooterGame/Saved" "$BACKUP_DIR/Saved"

実行前に空き容量とコピー元を確認し、コピー後にファイルが入っていることを確かめます。権限エラーが出た場合は、失敗したコピーをバックアップ完了と扱わないでください。

Saved以外の場所へ保存先を変更している場合や、クラスターデータなどを別管理している場合は、その領域も別途必要です。同じディスク内のコピーは設定変更の取り消しには役立ちますが、ディスク故障への備えにはなりません。

手順5:サーバー名を編集して保存する

実際に使われるGameUserSettings.iniをテキストエディターで開きます。使い慣れたSFTPクライアント経由の編集でも構いませんが、必ずサーバー側の対象ファイルへ保存します。

例としてnanoを使う場合は、SSHのシェルから次のように開きます。nanoがインストールされている環境が前提です。

nano "$ARK_ROOT/ShooterGame/Saved/Config/WindowsServer/GameUserSettings.ini"

既存の[SessionSettings]を探し、SessionNameの行を変更します。

[SessionSettings]
SessionName=Prenoca-ASA-Test

この2行を無条件で末尾へ追加するのではありません。既に[SessionSettings]とSessionNameがあれば、その場所を編集します。

サーバー名のINIキーはSessionNameです。管理画面でサーバー名(Server Name)と表示されていても、INIへServerNameと書くという意味ではありません。

起動スクリプトにもSessionNameが指定されている場合は、まず名前をどこで管理する設計なのか確認してください。複数箇所に異なる名前を残すと、どの値が使われたのか追いにくくなります。

nanoではCtrl+O、Enterで保存し、Ctrl+Xで終了します。その後、ファイルを開き直して変更が残っているか確認してください。

手順6:起動し、ゲームから確認する

SSHのシェルで起動します。

sudo systemctl start YOUR_ASA_SERVICE.service
systemctl status YOUR_ASA_SERVICE.service --no-pager

最近のサービスログを確認する場合は、次を使います。

journalctl -u YOUR_ASA_SERVICE.service -n 100 --no-pager

ただし、起動スクリプトがログを別ファイルへ出している場合は、そのログも確認します。

稼働中(active)と表示されたことだけで、マップ読み込みや接続準備が完了したとは判断しません。起動時のエラーがないことを確認し、ASAのサーバー一覧を更新して新しい名前を探します。接続して元のワールドがあることまで確認してください。

参考:Ubuntuのsystemctlマニュアル、ARK公式コミュニティWiki・設定ファイル

手順と確認

5. Windowsの自前サーバーで変更する

Windowsの場合も作業の順序は同じです。

  1. 起動に使っているバッチファイルや管理ツールから、ASAのインストール先を確認する
  2. ゲーム内でワールドをセーブする
  3. 導入した管理方法でサーバーを正常停止する
  4. サーバープロセスが終了したことを確認する
  5. 設定ファイルとセーブデータをバックアップする
  6. 設定を編集して保存する
  7. いつもの起動方法で起動し、ゲームから確認する

Windows版専用サーバーの基本の確認先は次の場所です。

ASAのインストール先\ShooterGame\Saved\Config\WindowsServer\

プレイ用ASAのインストール先と専用サーバーのインストール先を取り違えないでください。

編集後は、GameUserSettings.ini.txtのように拡張子が増えていないかも確認します。タスクマネージャーからの強制終了を、通常の停止手順として扱わないようにしましょう。

手順と確認

6. GameUserSettings.iniとGame.iniは何が違う?

GameUserSettings.iniにはサーバーの基本設定やゲームプレイ設定が入り、Game.iniには繁殖などの追加設定が入ります。ただし、「倍率はすべてGame.ini」のようには分けられません。設定ごとに正しいファイルとセクションを確認します。

今回覚える配置は次の3つです。

  • サーバー名:GameUserSettings.iniの[SessionSettings]
  • テイム速度:GameUserSettings.iniの[ServerSettings]
  • 孵化・成熟速度:Game.iniの[/Script/ShooterGame.ShooterGameMode]

角括弧で囲まれた行を「セクション」と呼びます。その次の行から、次のセクションが始まる直前までが、同じグループです。

たとえばテイム速度を変更する行は、GameUserSettings.iniの[ServerSettings]内へ置きます。

[ServerSettings]
TamingSpeedMultiplier=2.0

孵化速度を変更する行は、Game.iniの次のセクションへ置きます。

[/Script/ShooterGame.ShooterGameMode]
EggHatchSpeedMultiplier=2.0

上記は配置を説明するための例で、導入を一律に勧めるプリセットではありません。

既に該当セクションがある場合は、見出しを増やさず、その中の該当行を探します。TamingSpeedMultiplierのように単一の値を指定する項目は、同じセクションへ矛盾する値を複数残さないようにしてください。ただし、ARKには複数行で使う設定もあるため、すべての同名行を機械的に削除するのは避けます。

ファイルに項目がないこと自体は異常とは限りません。必要な項目だけを、対応するセクションへ追加します。別環境のINIを丸ごと上書きすると、今回変えたい項目以外も持ち込んでしまうため注意してください。

参考:ARK公式コミュニティWiki・サーバー設定、Nitrado公式・INI設定案内

手順と確認

7. 設定が反映されないときの確認順

何度も別の値を足す前に、次の順で確認します。

  1. 接続先は本当に編集したサーバーか
  2. サーバー停止後に編集したか
  3. 編集したのはサーバー側のファイルか
  4. ファイル名と保存先は正しいか
  5. 項目を正しいセクションへ置いたか
  6. 同じ単一値の項目を重複させていないか
  7. 保存後に開き直しても値が残っているか
  8. 起動引数、管理パネル、設定生成スクリプトに同じ項目がないか
  9. 起動が完了し、ゲームへ接続できるか
  10. その設定に合った方法で効果を確かめているか

サーバー名の変更に成功しても、繁殖設定の反映確認は別途必要です。育成中の個体や進行中のタイマーだけで判断せず、どの条件で変化する項目なのかを確認します。

起動しなくなった場合は、停止したうえで今回の変更を元に戻します。まず変更した設定ファイルだけを戻し、必要もないのにワールド全体を巻き戻さないようにしてください。バックアップ復元では、復元対象と失われる進行範囲を確認します。

手順と確認

8. 次はテイム・繁殖の倍率を決める

ここまでで、設定を安全に変更し、反映を確認する流れが分かりました。

次に決めるのは「何を、どれくらい変えるか」です。テイム、孵化、成熟、刷り込みは役割が違うため、同じ数値をまとめて入れるだけでは狙った遊び方になるとは限りません。

具体的な倍率と組み合わせは、ASAのテイム・繁殖設定ガイドへ進んでください。

手順と確認

新規構築から始める場合

この記事は、既に起動・接続できる専用サーバーの設定変更を対象にしています。空のUbuntuやWindowsへファイルを置くだけでは、ここから先の手順を始められません。

新規構築では、少なくとも次を分けて確認します。

  • ASA専用サーバーの導入
  • 実行環境と起動方法
  • 必要なネットワーク設定
  • ゲームからの初回接続
  • 停止・再起動・バックアップの方法

ASAのSteamアプリIDは2430930です。ASEの導入例で使われる376030とは異なります。また、ASAはWindowsまたはWindows相当の実行環境が必要とされており、Linuxでの運用はその点も含めて準備します。

構築資料の入口はARK公式コミュニティWikiの専用サーバー構築手順とValveのSteamCMD案内です。ARKの資料にはASEとASAの情報が混在するため、サンプルの実行ファイル名・アプリID・マップ名がASA向けか確認してください。

本記事では新規構築やProton導入を検証していないため、「このコマンドを貼れば構築完了」とする手順は掲載していません。まず実際の構築環境で初回接続まで確認し、その後に本記事の設定変更へ進みましょう。

参考資料